海外の離乳食ってどんなものか想像つきますか?私が現在住むのは日本から遠く遠く離れたイタリア。食文化だって日本とは全く違います。
例えば、日本は主食がお米ですよね?一方でイタリアはパスタやパンをよく食べます。
もうこの時点で離乳食にも違いがでてきそうですよね。
私の娘の離乳食はイタリアでスタートさせました。インターネットでも情報が少なくとても苦労し、少しずつ試行錯誤しながら進めていったのを覚えています。
海外での離乳食には日本とどのような違いがあるのか?イタリアでの経験をもとにご紹介致します。
日本では考えられないような、オリーブオイルやチーズも早い段階から登場して驚き一杯ですよ。
イタリアの離乳食はどんな食材から始める?
1.果物
イタリアでの離乳食は、子どもの担当医と相談しながら始めます。※イタリアでは子どもに必ず1人地域の担当医がつきます。風邪などひいたときに連れて行ったり、定期検診をします。
私の娘も6ヶ月を過ぎた頃から担当医と話し合い、離乳食をあげ始めました。イタリアでの離乳食では最初からカルチャーショックが!というのも、イタリアでは果物を離乳食の最初にあげるんです。日本だと10倍がゆから始めますよね?
果物には果糖も入っているので正直良いのかなぁ?と半信半疑でしたが、郷に入っては郷に従え。リンゴをすりつぶしたものから始めました。リンゴは甘いので、うちの娘は嫌がることなくすぐに食べるようになりました。イタリアでは4~6ヶ月の間はリンゴ以外にも洋ナシやプラムをすりつぶしてあげます。
日本からピジョンの離乳食調理セットを持参していたのですが、かなり役立ちました。
2.米(パスタ)、チーズ、オリーブオイル
果物の後に登場するのが次の4つを使った離乳食。
- 野菜スープ(人参、じゃがいも、ズッキーニ)
- お米もしくはトウモロコシの粉
- エクストラバージンオリーブオイル(良質のオリーブオイルです。)
- パルメジャーノレジャーノ(チーズの種類です。)
赤ちゃんにオリーブオイルとチーズ?大抵の日本人は驚くのではないでしょうか。私も正直そのうちの一人でした。本当に大丈夫なのか不安もあり、色々と調べました。
結果、エクストラバージンオリーブオイルは赤ちゃんの体にとても良いとのこと。なぜなら赤ちゃんの成長に欠かせないポリフェノールやビタミンEが多く含まれているから。
またイタリア人曰く、エクストラバージンオイルは離乳食時に固くなりがちな赤ちゃんのうんちを出やすくさせる効果もあるとのこと。
次にパルメジャーノレジャーノ。これはイタリアでよく食べられるチーズ。これまた私は心配でなりませんでした。チーズって塩分多そうなイメージがありますよね。
調べてみたところ、パルメジャーノレジャーノに含まれる塩分相当量は100グラムあたり2.1グラム。小さじ1杯(5グラム)ほど与えるので約0.1グラム与える計算になりますね。
パルメジャーノレジャーノは脂肪が少なくカルシウムがたくさん含まれているので離乳食に最適らしいのです。
実際に私の娘が初めて使用したエクストラバージンオリーブオイル(右)とパルメジャーノレジャーノ(左)
上記4つを使用したレシピがこちら。
1.皮をむいた人参、ジャガイモ、ズッキーニを1リットルの水で約1時間ほど鍋で煮込む(圧縮鍋の場合15-20分)。
2.出来上がった野菜スープ160-180mlに次のものを加える。
・お米またはトウモロコシの粉(大さじ2~3)
・エクストラバージンオイル(小さじ1)
・パルメザンチーズ(小さじ1)
日本では離乳食でお米をよく使用しますが、イタリアでは赤ちゃん用にお米やトウモロコシの粉がよく使用されています。赤ちゃん用の小さいお米も売られているので、私は娘によくそのお米を使用していました。
写真左はトウモロコシとタピオカの粉、右が米粉。
お米や各粉の代わりに赤ちゃん用パスタもよく使用します。
1粒1粒がとても小さいので、日本のようにスパゲッティを細かく切るなんてことはしません。4ヶ月(4MESI)から始められるもの、6ヶ月(6MESI)から始められるものといった感じで開始月が箱に記載されています。
調理時間も沸騰したお湯に数分入れるだけ(パスタによって多少時間は異なりますが、2~6分程)ととても簡単なのでかなりお勧め。
日本では離乳食用の小さいサイズのパスタはあまり浸透していないので、イタリアに旅行に来る人がいたら頼んだら良いかも。
3.肉
スープで使用した野菜も食べられるようになったら、肉をあげ始めます。私の娘は担当医の指導のもと、約7か月の時に子羊から始めました。イタリアでは大抵オモジェニザートと呼ばれる瓶詰のペースト状のお肉を与えます。衛生的に瓶詰のほうが安心という理由からだそうです。
これがオモジェニザート。お肉以外に魚の種類も色々あります。
オモジェニザートには色々な種類があり、最初は淡白な子羊、うさぎ、七面鳥から始め、その後鶏肉、子牛、雄牛と種類も増えていきます。
子羊、うさぎ、七面鳥…
なんだか未知の世界ですよね。日本でうさぎ食べたことある人なんてきっと大人でもそうそういないのではないでしょうか。これもうさぎの肉を食べるイタリアならではですね。
オモジェニザートは瓶を開けるとすごい匂いがするのですが、うちの娘はおいしいのか初めからパクパク喜んで食べていました。
4.おやつ
野菜や果物、お肉の種類も徐々に増やしていくと、次はメレンダというおやつの時間が始まります。おやつといっても無糖のヨーグルトや果物を昼食と夕食の間にあげるといった感じ。
日本では3回食の後におやつが始まるのに、イタリアは2回食とおやつ。正直すごく困惑しましたが、とりあえず担当医に言われた通り2回食とおやつをあげ始めました。
そんな時、たまたま日本に一時帰国する機会がありました。こどもの定期健診でこの件を話してみると、栄養面を考えるとまずは3回食をしっかり食べさせるべきだと言われました。
「やっぱりそうですよね!?」と心の中でうなずきながら、これこそ食文化の違いだと痛感しました。
また、イタリアでは朝は赤ちゃんにミルクとビスケットを与えます。写真はイタリアで人気の赤ちゃん用ビスケット。6ヶ月から与えることができます。
朝はミルクとビスケット。昼夜は通常の離乳食でその間におやつというのが一般的。ほかのお医者さんに聞いても同じように言われました。
さすがに朝ビスケットをあげることにどうしても抵抗があった為、私は日本流で朝もしっかりお米、野菜、タンパク質といった離乳食をあげることにしました。
5.卵、ハム
離乳食も終わりに近づいてくると、卵やプロシュートコットと呼ばれるハムをあげ始めます。大人でも塩辛いと感じるので出来るだけ少なめにあげていましたが、イタリアではかなり一般的。
1歳の子にはフォカッチャ(イタリアの手焼きパンで少し油っこい)やピザも少量ならOK。バジルのペーストだってパスタに混ぜてあげます。もう少し詳しく知りたい場合は「海外での子どもの食生活で大切にしたいこと」を合わせて読んでみて下さい^^
日本人の私からしたら驚きの連続でした。しかし、イタリアでは基本1歳になったら大人と同じように食べ物を与えて良いという考え方なんです。やはり国によって離乳食の進め方も全然違うということですね。
決してイタリアの離乳食のやり方が悪いという訳ではありませんが、やはり日本の離乳食は子どもの将来的な健康をしっかりと考え計画立てられているなぁと感心するのでした。
まとめ
離乳食は食育の第一歩。こどもがこれからどんな食べ物を好んで生きていくかを左右する大事な時期です。
国が違うと離乳食の進め方が異なりどうすれば良いか迷うことも多い。それでも、自分がこどもに一番良いと思った最善の方法で、離乳食そしてその後の食事を与えていくことが大切だと改めて思います。
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