育児

イタリアで子どもが病気になったらどう対処する?

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冬の時期になると、日本では風邪やインフルエンザが毎年のように流行しますよね。学校に通う子どもを持つ親御さんは、病気をもらってこないかヒヤヒヤしたことがあるのではないでしょうか。そしていざ子どもが病気になり苦しんでいる姿を見ると、親として一番辛いですよね。

 

日本では子どもが病気になった時は近所の小児科に連れていくのが一般的です。そして、大抵の場合抗生物質をもらいます。喉の痛みの薬だったり、咳止めの薬だったり…。

 

イタリアでは子どもが病気になった時の対処法が日本とは若干異なります。とても興味深いものだったので、今回はその違いについて少しご紹介します。

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イタリアで子どもが病気になったらどう対処する?

まず、イタリアでは、子ども1人に対し必ず1人担当医が付きます。イタリア語ではPediatra(ぺディアトラ)と呼ばれるのですが、日本語で言う小児科医ですね。

 

住まいの自治体で、数人指定された担当医がいて、その中から1人選ぶというしくみ。子どもが風邪を引いたり体調が悪かったりしたら、まずは担当医に連絡します。

 

私の娘は昨年の11月から保育園に通いだしたのですが、最初の2ヶ月は何度も病気をもらってきては発熱の繰り返しでしたので、担当医に大変お世話になりました。

 

しかし、日本と違うのは一般的な風邪では抗生物質をもらえないということ。例えば咳をたくさんしていても、肺がきれいであれば抗生物質はもらえません。抗生物質の代わりにイタリアでは次の3つの対処法をするように言われます。

1.吸入器
2.鼻洗浄
3.解熱剤

どのようなものか詳しく説明しましょう。

1.吸入器

イタリア語ではaerosol(アエロゾール)と呼びます。日本では喘息の人が吸入器をよく使いますよね。私も喘息持ちなので小さいころよく使用していました。吸入器とは薬物を蒸気や霧の状態にして鼻や口から吸入する道具のこと。

 

イタリアではどこの家庭でもこのアエロゾールの機械が1台は置いてあるのではないでしょうか。今私の家で使用しているのはこんな形。

黒い蓋のついた容器の中に吸入器用の薬(タンを柔らかくする)を入れます。電源を入れるとそれが蒸気となって出てきて、口や鼻から吸入するという仕組み。

 

新しいタイプの機械もありますが、担当医から古いタイプの方が最後まで薬が蒸気となって出てくると言われたため、私たちの家庭では夫の実家の古いタイプのものを使用しています。

 

このアエロゾール、咳やタンを取り除くのに良いですが、完璧に回復するまでに結構な時間を要すのが少しネック。娘が以前風邪を引いた時は、アエロゾールを始めて1週間ほどしてやっと咳が徐々におさまりだしました。

 

イタリアの担当医によると、小さいころから抗生物質をたくさん与えると免疫がつきにくくなるため、なるべく与えないほうが良いという考え方のようです。

 

2.鼻洗浄

風邪を引いて鼻水がたくさん出たり、鼻がつまったりしている時は鼻の洗浄を1日4~5回するように言われます。イタリアでは写真のような鼻の洗浄液がスーパーでも薬局でもどこでも手に入ります。

鼻洗浄液は薬ではなく生理食塩水なのですが、日本ではさほど普及されていませんよね。鼻の中にピュッと液を押し込むと鼻水や鼻くその塊が出てくるので、子どもも息がしやすくなります。詳しい使い方については「イタリアの鼻洗浄液ってどんなもの?」の中で説明しています。

 

この鼻洗浄の進化版と言えるのがこれ、Doccia Nasale(ドッチャ・ナザーレ)。

先ほど咳が出る際にアエロゾールと言う吸入の機械を使用しましたよね?それを鼻に行う為の物です。アエロゾールの機械にこのドッチャナザーレの容器をつなぎ使います。

 

鼻洗浄用の薬(緑や黄色の鼻水を柔らかくする)を入れ、容器を直接鼻の穴に入れて蒸気を吸入する形。大量に汚い菌の鼻水が出てくるので、鼻の中がものすごくきれいになります。鼻風邪がひどい時はこのドッチャナザーレを1日2回行うよう言われます。

 

3解熱剤

写真にあるのがイタリアの解熱剤で有名なTACHIPIRINA(タキピリナ)。

イタリアでは38.5℃以上の熱が出たらこのタキピリナを与えるよう言われます。これは日本と同じですね。座薬タイプのものとシロップタイプのものがあり、こちらは処方箋がなくても薬局で購入することができます。

 

一般的な風邪の場合はこのような3つの方法で対処するのですが、それでは緊急の場合はどうでしょう?

 

緊急の場合は日本同様緊急病院があります。土日の場合は担当医も不在になる為、緊急の際や土日に子どもが体調を崩した場合は緊急病院に連れていきます。緊急病院の中に大抵小児科病棟もあります。

 

実は私の娘も昨日緊急病院へ行ってきました。土曜から熱を出していて担当医も不在だった為、とりあえず上記3つの対処法をし一日様子を見ていました。しかし一方によくならず、熱が40度まで上がった為、すぐに緊急病院へ連れて行ったのです。

 

結果、猩紅熱(しょうこうねつ)という感染症の一つでした。日本ではあまり聞いたことのない病気ですよね。調べてみたら喉の痛みと共に急に高熱が出て、発疹が現れる病気のようです。今回ばかりは抗生物質が出て、娘は今やっと落ち着いてホッとしています。

 

子どもが病気になるとどこの国にいてもとても不安になりますよね。一歩間違えれば生死に関わることもあるので、対処の仕方がとても大事になってくると改めて実感しました。

 

まとめ

今回はイタリアで子どもが病気になった際の病院での対処法をお伝えしてきました。日本とイタリアでは対処方法に異なる点もありますが、自分の信頼できる病院や先生をきちんと決めておくことが大事だという点は変わりないですね。いざとなった時にすぐに対応できるようにすることが1番大切なのではないでしょうか。

 

子どもが病気になると、親の負担も大きくなるもの。看病で体調等崩さないようにお気を付けくださいね。

 

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