育児

イタリア人は日本の産婦人科にカルチャーショックを受ける?

<スポンサードリンク>

あなたは自分の子どもが生まれた時のことを覚えていますか?

 

私の娘はあと数日で2歳になります。ちょうど2年前の今頃に今か今かと出産を待ちわびていたのを鮮明に思い出します。

 

娘はイタリア人と日本人のミックス。どちらの国で産むか正直迷いました。夫とも話し合ったのですが、イタリアでまだ長期間暮らしたことのなかった私は、言語の不安から日本で出産することを選びました。

 

現在イタリアで生活していて、日本との違いに戸惑うことが多々あります。そういえば今思い出すと、イタリア人夫は日本の産婦人科での出産に結構カルチャーショックを受けていたことをふと思い出しました。

 

日本では当たり前のこと。イタリアでは当たり前でないこともあるんです。どんなことがイタリア人の彼にとってショックだったのでしょうか?

<スポンサードリンク>

イタリアと日本の産婦人科は何が違う?

そもそも、子どもが生まれる前の検査から日本とイタリアでは少し違いがあったと今振り返ると感じます。

 

まず、妊娠初期にイタリア人夫が心配したのがトキソプラズマ症という病気。トキソプラズマ症という病名聞いたことがありますか?トキソプラズマと言う原虫による感染症なのですが、胎児期に感染すると流産や死産の可能性が出てきてしまうとても危険な病気。

 

生の肉や加熱不十分な肉などがトキソプラズマ症の感染原因の一つとされているのですが、イタリアでは生ハムなどを良く食べるので感染率も高いのです。その為、妊婦さんのほとんどがこのトキソプラズマ症にかかっていないか検査をするのだそう。

 

イタリア人夫が心配し検査をしてほしいとのことだったので、日本の産婦人科で検査をしました。結果問題なかったのですが、先生は日本ではトキソプラズマ症にかかった事例はさほど聞かないとおっしゃっていました。もちろん検査も有料。きっと日本で心配されている病気だったら保険内で検査できますよね?やはり国が違えば病気の種類も異なります。

 

そして出産後の子どもへの接し方もイタリア人夫は驚きを隠し切れませんでした。というのも、私が娘を産んだ産婦人科は母親以外は赤ちゃんがいる部屋(赤ちゃんのために温度調節された部屋)に入ることができなかったんです。夫はどうしてせっかくこの世に生まれてきた自分の子どもを抱きしめられないんだ?と悲しがっていました。

 

私は夫に娘はまだ生まれたばかりで体温調節もできないし、安静にしておかないといけないと説明しましたが、どうも納得がいかない様子。なぜ夫がそこまでこだわるのか、イタリアに来てやって理由が分かりました。

 

イタリアでは生まれてまだ1日もたっていない子どももお母さんが病院内を連れて歩いているではないですか(もちろんカゴにいれてですが…)。面会に来た人達が普通に赤ちゃんも触ってるし。えぇー子ども大丈夫なの?なんだか変な菌をもらったりしないの?と個人的に心配になってしまったのですが、イタリアではそれが普通な様。

 

その為、自分の子どもをすぐに触れられると考えていた夫からしたら、日本で子どもにすぐに触れられなかったことがすごくショックだったようですね。この時初めて心から夫の気持ちが理解できました。

 

日本の産婦人科で子どもが生まれた後に授乳指導や沐浴指導もあるじゃないですか?あれも父親が参加できないことにショックを受けていました。もちろん授乳は他の女性もいるので仕方のないことですが、沐浴はこれから自分も対応する必要があるのに、どうして父親は一緒に学べないのかと…。

 

逆に私がカルチャーショックだったのが、イタリアでは何も問題がなければ子どもと母親は出産後2~3日で退院すること。子どもをあんなに痛い思いして産んで、縫って、歩くのもやっとなのに、その数日後にすぐに退院だなんて。イタリア人の母親はどれだけ強いんだ!?と心の中で叫びたくなりました。

 

しかも里帰り出産なんてものはないらしく、すぐに自分たちの家に帰ります。日本だったら大半の人が産後1か月程は自分の両親の元へ帰り、色々とサポートをしてもらいながら、体を万全にしていきますよね?そんな考え方イタリアにはありません。

 

それじゃあイタリアではどのように母親は体を休めるの?と夫に質問したのですが、イタリアでは子どもが生まれたら旦那さんも1週間ほど仕事を休めるらしく、一緒に育児を手伝うのだとか。その為育児に積極的な男性が多いというメリットもあると思いますが、やはり母親が動かなければならない面は格段に増えそうだと個人的に感じてしまうのでした。

 

出産後の退院もすぐ、里帰りもないイタリア人にとって、出産後母親は体をゆっくり休めるべきという日本的考え方はなかなか理解しづらいようですね。

 

お互いの国の出産&育児事情にカルチャーショックを受けながらも、なんとか理解し合おうと努力しながらやってきた2年間。もちろんお互いに自分たちの国のやり方に誇りを持っているため幾度となく衝突を繰り返してきました。その度に話し合いを重ねて解決策を見つけてこれたので、結果的には良かったかなと感じています。

 

何はともあれ日本で出産することを承諾してくれた夫、子育てを今でも支え続けてくれているイタリアと日本の家族に感謝の気持ちも持ちつづけたいと改めて感じるのでした。

まとめ

日本での産婦人科での出産に、イタリア人の夫がカルチャーショックを受けたことをお話してきましたがいかがだったでしょうか?自分の時はどのようだったかなぁ?なんて思い出してもらえたのではないでしょうか。

 

私は兄弟も多いため、日本の姪っ子と甥っ子合わせてすでに5人います。しかもそのうちの1人は娘と同じ病院で、しかも6時間差で生まれたというミラクル。現在私たち家族が日本とは遠く離れたイタリアで生活しているため、娘は日本の家族や親せきに会うことはなかなかできません。それが海外で暮らすことの切なさでもあるのですが、その分イタリアの家族に何倍も可愛がってもらい、娘はとても幸せ者なのかもしれません。

 

姪っ子や甥っ子そして娘がもう少し大きくなった時に、夏休みなどを利用してお互いの家をホームステイさせ、国や文化の違いを自分たちの目で実際に見せてあげることが今の私の夢だったりします。

 

きっと今までの2年間があっという間だったように、これからも子どもの成長は一瞬だと思います。いつまでも娘が生まれた時の気持ちを忘れずに、これからも母親を頑張っていこうと思います。

<スポンサードリンク>