イタリア語では、女性を褒めるような言葉がたくさんあります。
bella 美しい
carina かわいらしい
dolce いとしい
graziosa 優美な
さすが愛の国と言われるだけあり、甘い言葉が多いですね。ここで問題ですが、上の4つの単語で共通することってなんだか分かりますか?
正解は、全ての単語が形容詞だということ。今回勉強していくのは、この形容詞。イタリア語では、形容詞も名詞のように性数一致する必要があります。今まで一緒に勉強してきた方は、性数一致という言葉ももう聞き慣れてきたのではないでしょうか?
早速どのように性数一致するのか詳しく見ていきましょう。
形容詞の性数一致
形容詞とは名詞を修飾する言葉ですよね。イタリア語では、名詞が性数一致をしたのと同様、形容詞も名詞に応じて性数一致をする必要があるんです。
1つ例文を見てみましょう。
1.彼は疲れています。
2.彼女は疲れています。
このつの文章、日本語ではピンク色の名詞の部分(彼と彼女)だけが違います。この2つの文章をイタリア語にしたら次の通り。
1.Lui è stanco.
2.Lei è stanca.
【単語】
stanco(a) スタンコ(スタンカ)
疲れる
ピンクで色付けした部分を見てみると、名詞(LuiとLei)の他に、形容詞(stancoとstanca)も変化していますね。このように、形容詞も名詞に応じて形を変化させる必要があるのです。
形容詞の変化は、次の通り。
1.男性形 | 単数→ o で終わる 複数→ i で終わる |
2.女性形 | 単数→ a で終わる 複数→ e で終わる |
3.男性&女性形 | 単数→ e で終わる 複数→ i で終わる |
表を見て、ある点に気づきました?そうです!名詞の性数一致と全く同じ変化の仕方なんです。名詞の時にがんばって覚えた甲斐がありましたね。
もう少し慣れる為に、いくつか例を見てみましょう。
il treno italiano イタリアの電車
la macchina italiana イタリアの車
i ragazzi alti 背の高い少年たち
le ragazze alte 背の高い少女たち
una chiave nuova 新しい鍵
due chiavi nuove 新しい2本の鍵
【単語】
treno(トレノ)
電車
macchina(マッキナ)
車
alto(a)(アルト、アルタ)
背の高い
nuovo(a)(ヌォーヴォ、ヌォーヴァ)
新しい
なんとなくイメージわきましたか?
形容詞を置く位置はどこ?
形容詞を置く位置ですが、一般的に名詞の後に置きます。しかし、よくイタリア語の文章の中で出てくる、「bello(a) 美しい」と「buono(a) 美味しい、良い」 は一般的に名詞の前に置くんです。※例外もあります。
どうしてこのようになるのかイタリア人に聞いてみましたが、特に決まったルールはないとのこと。母国語の人たちは感覚で覚えてるんでしょうね。うらやましいけれど、学習者にとっては難しいですね。
また、このbello(a)とbuono(a)の変化の仕方は少し変わっていて、名詞の前に置くときは、冠詞と同じ変化の仕方をします。実際にbelloを使ってみてみましょう。
bello (男性形)+ 子音で始まる場合 | ・美しい赤ちゃん un bel bambino (ウン ベル バンビーノ) |
bello + 母音で始まる場合 | ・美男子 un bell’uomo (ウン ベルォーモ) |
bello + s + 子音、 + z で始まる場合 |
・美男子生徒 un bello studente (ウン べロ ストゥデンテ) ・良いリュックサック un bello zaino (ウン ベロ ザイノ) |
bella(女性形)+子音で始まる場合 | ・美しい女性 una bella donna (ウナ ベラ ドンナ) |
bella+母音で始まる場合 | ・良い考え una bella idea (ウナ ベラ イデア) |
ちょっと複雑ですかね?今は難しくても、いずれ勉強していくうちに慣れてきますからね。buono(a)の場合も同じように変化します。
例えば、「美味しいピザ」と言いたい場合は何て言いましょう?
(ウナ ブォナ ピッザ)
では、よい男友達と言いたい時は?
(ウン ヴォン アミーコ)
ただ、文章によっては「bello(a) 美しい」と「buono(a) 美味しい、良い 」は、次のように名詞の後に使われることもあるので注意。
Il pane è buono. パンは美味しい。
L’arancia è buona. オレンジは美味しい。
I funghi sono buoni. キノコは美味しい。
Le castagne sono buone. クリは美味しい。
【単語】
pane(パーネ)
パン
arancia(アランチャ)
オレンジ
fungo(フンゴ)
キノコ ※よく複数形で使われます。
castagna(カスターニャ)
クリ ※よく複数形で使われます。
キノコの複数形はfunghiとなるので注意してください(※fungiは間違い)。
今回はここまでにしましょう。形容詞は色々と複雑でしたね。
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まとめ
今回は形容詞の性数一致を勉強してきました。イタリア語の先生にも聞いてみたのですが、形容詞の変化には色々と例外があり、その都度覚えるしかないとのこと。
イタリア語を勉強し始めたばかりだと本当に難しいですが、一緒に一歩ずつ進んでいきましょうね。