イタリア生活

イタリアと日本の文化の違い

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イタリアという国、あなたはどのようなイメージをお持ちですか?愛の国?陽気な国?それとも食の国?

 

日本から遠く離れたイタリア、食文化も大きく異なりますが、日頃の暮らしの中でも日本とは様々な文化の違いがあります。

 

昨日イタリア人の友人の誕生日パーティーに行ってきたのですが、誕生日パーティーの開き方1つでもイタリアと日本の文化の違いを改めて実感しました。例えば、日本では誕生日パーティーをする場合は、大抵誕生日の当事者ではなく周りの友人が計画を立てたり準備をしたりしますよね?

 

イタリアでは違うんです!イタリアでは誕生日の当事者が主体となってパーティーの準備をします。友人に参加するかどうか聞き、レストランの予約もします。家でパーティーする場合はその料理、さらにはケーキも本人が準備します。なんだかとっても不思議な感じですよね?

 

このようにイタリアと日本には日常生活の中で垣間見れる文化の違いがいくつもあるのですが、今回はその中でも私が特に気になった違いをご紹介します。

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イタリア人は怒っているように会話する?

私がイタリアへ来てから今までずっと感じてきたこと。それはイタリア人が会話をしていると怒っているように聞こえるということ。道端で人が話していても、親戚などが話していても、どうしても怒っているように聞こえるんです。どうして怒っているように聞こえるかって?それは彼らの話し声がとても大きく、話し方に抑揚もあり、身振り手振りも大きいから。しかし、実際に彼らに聞くと全然怒っていないと言われます。

 

私の住むイタリア北部よりも、イタリア南部ではさらに身振りが激しく声も大きいので、より怒っているように聞こえます。しかしその分愛情表現をする時も感情の込め方が半端ないのも事実。私の親戚は南部シチリア島に住んでいる人が多いのですが、確かに彼らが娘に初めて会った時、「アモーレ!!!(私の愛しい人)」とか「ケ ベッラ!!!(なんて可愛いの)」とジェスチャーも声も全ての動作が大きいなぁと感じたのを覚えています。

 

イタリア人に聞くと、声が大きいのには理由があるのだとか。というのもイタリアで小さい声で話していたら、自分の主張が通らないのです。その為、大きい声で自分の考えをはっきりと述べる必要があります。これこそ文化の違いだなぁと感じるところ。日本では自分の主張をしすぎるより、相手の意見をきちんと聞き、相手を尊重することが大事とされますよね。

 

日本人がイタリア人に対して怒っているように聞こえるというのとは逆に、イタリア人からしたら日本人の話し方は声が小さすぎると言います。今までの生活を振り返ってみると、私もイタリア人から何度も言ったことを聞き返されたりしていました。きっと彼らには私の声って小さいんですね。でもイタリアに3年以上住んでいる日本人の友人からは、イタリアに長く住んでいるといずれ声が大きくなるので心配いらないと言われます(笑)

 

日本は統一性、イタリアは個人の自由?

あともう一つ大きな文化の違い。それが日本の統一性を大事にするという考え方とイタリアの個人の自由を大事にするという考え方。日本では、統一することをとても大事と考えませんか?一方でイタリアを含めヨーロッパでは統一と言うより、個人の自由をとても大事にします。その違いが次の3つのケースで顕著に表れている気がします。

1.学校の制服

私の姪っ子が今日本で幼稚園に通っていますが、制服はもちろんのこと、手さげ袋やシューズ袋のサイズまできっちり同じにしないといけないそうです。その為か、日本では他人と違うことは少しずれているという感覚が身につきやすい気がします。友達と違うから嫌だ!というお子さんの姿を目にしたことのある親御さんも多いのではないでしょうか?

 

一方イタリアでは制服を使用していない学校も多いです。幼稚園で揃えないといけないものも、サイズの規定まではありません。私は日本の幼稚園で働いたことがないので、どのような意図で袋のサイズ等まで規定しているかは分からないのですが、子どもにとっては人と同じことが当たり前と言う概念を産む危険性もあるのかなと感じます。

 

2.地毛証明書

地毛証明書って聞いたことがありますか?日本では髪が茶色い子に対して地毛証明書を提出させる学校があります。実は私は大学時代、高校へ教育実習に行ったことがあります。その時に実際生徒が地毛証明書を提出している現場に遭遇したのです。

 

どうしても違和感を感じた私は先生にどんな理由で地毛証明書の提出を求めているのか質問しました。すると、先生の立場からすると、地毛証明書を提出することでその生徒が他の先生から何度も注意されないようにと言う配慮が含まれているとおっしゃっていました。その時も全く腑に落ちなかったのですが、教育実習の身だった為、先生に意見する勇気がありませんでした。反省。

 

私個人の意見からすると、生まれた時から茶色い髪なのにどうして黒髪が一般的と言う日本社会に当てはめる必要があるのだろう?と地毛証明書の提出にはとても違和感を感じます。茶色く髪を染める学生がいるから(そもそも日本では髪を染める=不良というイメージが強いですよね)このような事態になっているわけですが、日本では他人と違う外見をしているとおかしいという文化がまだまだ根付いているという訳ですね。

 

イタリアでは人種もさまざま、髪の色は茶色や金髪の子もいますし、目の色も茶色の子もいれば水色の子もいる。外見で判断するということが日本に比べると断然少ない気がします。日本は島国なので移民も少なく、様々な人種が少ないというのも理由の一つですが、統一しているのが良いという考え方が外見の判断の仕方にも表れているのではないかと思います。

 

3.給食のメニュー

学校の給食の取り方でもイタリアと日本では少し違います。お弁当の場合は除きますが、日本の給食では皆が同じメニューの食事を取りますよね?イタリアでは給食のメニューには最低でも2~3種類あり、子どもが自ら選べるような仕組みになっています。(※保育園や幼稚園では1つのメニューが決められています。)これも個人の自由を大事にすると言う考え方からきているのだとか。子どもに選択肢を与え、子どもにしっかりと自分の意見を持たせるらしいのです。

 

子どもがしっかりと自分の意見を持つことができるというのはとても良いことです。だからと言っていいことばかりではありません。日本の給食では全ての子どもに大切な栄養素をしっかりと考えた献立が立てられています。もちろんイタリアでも栄養は考えられていますが、子どもが自分で選べるということは、自分の好きなものばかり選んでしまい栄養が偏るという危険性もあります。良い面もあれば悪い面もある。子どもに最も良い方法ってなんだろう?と改めて考えさせられます。

 

統一性を大事にすることと個人の自由を大事にすること。子どもの育て方一つにしても、国によって考え方が全然違ってきますね。

まとめ

イタリアの文化と日本の文化の違いを見てきましたが、違う国の文化を見るって色々なことを考えさせられますね。イタリアでは自分の意見をしっかりと言う必要があり、個人の自由を大事にしていることが分かりました。一方日本では、相手の立場を尊重する必要があり、統一性や協調性も大事にするということがわかりました。

 

どちらの国もそれぞれの歴史と共に発展してきた文化ですので、どちらが正しいとは決して言えません。しかし、違う文化を見ることで、自分の文化を見つめなおすいいきっかけになるかもしれませんね。

 

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